登記をしなくても日常生活で困ることはありませんが、いつまでも亡くなった方の名義になっていれば、現在の所有者は誰なのか、第三者は分かりません。また、登記をしないで一番困るのは、いざ名義変更をしようとしたときに、登場人物が増えてしまうことです。
たとえば、すぐやれば兄弟三人で済んだことが、手続きをしようとした時に一人が亡くなっていれば、その兄弟の配偶者や子どもたちが相続人として登場します。そうなると、名義変更していなかった事実の説明から始まって、同意してもらうようにお願いしても意見が対立したりと、時間も労力もかかってしまうのがよくある例です。
登記を変更するには、登録免許税という税金がかかりますが、後の人たちの大変な思いと比べたら、安いものかもしれません。分割協議が調ったら早々に名義の変更をなさった方がよいと思います。
法務省「未来につなぐ相続登記」